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2009年6月15日 (月)

ガンダム ~名もなき兵士のレクイエム~  証言

BD-01を巡るジオンとパース防衛部隊の攻防から一夜明けたパースは、既に復旧作業が始まっていた。

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基地外部に被害が集中した為、中心部はそれほど深刻な被害はなかった。しかし、パースに住む人達にとって、今回の騒ぎは連邦軍が起こした事件だと認識された。反連邦を掲げる人々がデモを起こすなどして、一時的にだが、外出禁止令を発令するという異例の事態に陥った。これに対しマクドガル中将は自ら記者会見に応じ、全住民に謝罪をしたのである。

必死の謝罪で、市民の暴動を何とか防ぐ事が出来たのである。

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家を失った人も少なからずいたが、住宅保障を連邦法で定めている為、新築とは言わないが、程度の良い物件を支給する仕組みになっている。暴動などで治安を悪化させる事のないように連邦が考えついた苦肉の策だった。

一方、今回の事件の中心にいる人物に対する査問会がパースの法廷で行われていた。

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「これより、臨時査問会を開始する。各自、連邦憲章に則り、嘘偽りのないよう細心の注意を払ってもらいたい」

切り出したのはマクドガル中将だった。当然といえば当然である。基地の最高責任者なのだから。

「ケン・カドマツ少尉、君は2週間前MIA(missing in action)に登録されたが、その間どうしていたのだね?」

カドマツ少尉は第01MS防衛小隊に所属していた。先の戦闘以前に第04MS防衛小隊と合同で絶壁に囲まれたジオンのキャンプを襲撃したのだが、その際ザクと共に谷底に落ちていったのだ。その戦闘で第01MS防衛小隊のMSは大破し、現在もパイロット達は入院している。

「ザクと共に絶壁から突き落とされた後、自分は身動きが取れませんでした」

「身動きが取れないとは、どういうことだね?」

「正確に申し上げると、ジムの左足首が破損し行動不能になったのです」

「君自身は怪我しなかったのかね?」

「自分も打撲で満足に身動きが出来なかったのですが、原住民たちが自分をジムから引っ張り出して看病してくれたのです」

オーストラリアの原住民とは「アボリジニ」を指す。彼らは連邦の保護下に置かれており、比較的穏やかな性格で争いを好まないのだ。

「なるほど。君が消息を絶った地域は確かにアボリジニのコロニーに近いな」

「はい、自分は彼らに命を助けられました。だからこそ、彼らに恩返しをしたかったのです」

「それが、ウンバホだと?」

「ウンバホとは原住民が古くから崇拝する神です。ウンバホを見た時確信したのです。ウンバホを宗教として広めるのが自分の役目だと」

傍聴席から失笑が聞こえる。だが、そんな事はカドマツ少尉には気にならなかった。

「カドマツ少尉、君の動機を信用するとして、君はBD-01をどうするつもりだったのだね?」

この問いに傍聴席の失笑は消え、替わりに沈黙が訪れる。

「実は数日前、自分はサザンクロスに戻って来てました。酒場で酒を飲んでいる際にある男から金を渡されて、『写真に写っているMSを奪って、適当に戦闘すれば金をやる』と持ちかけられたのです」

重大な証言に法廷がどよめく。

「その儲け話を持ち掛けた男とは、何者だね?」

マクドガル中将の視線がカドマツ少尉に向けられる。

「酔っ払っていたので良くは覚えてないのですが、確かジャマイカン何とかって名前でした。素性は良く判りません」

ジャマイカンという名前にアオシマ少佐が反応する。

「バスク・オム・・・。奴がこれに絡んでいたのか・・・。何てことだ」

その言葉にマクドガル中将が聞き返す。

「少佐、それは本当かね?」

「はい。現在、ルナツーでバスクの命令を受けて作戦行動中だと思います。地上にいるはずがないと思うのですが、その名前は連邦内部であまり知られていません」

「その名を語った人物が当人なら、別命で動いている事になります」

ジャマイカン・ダニンガン・・・。グリプス戦役でバスク・オムの補佐官として活躍する事になるのだが、一年戦争が終結するまでは無名の大尉だった。(後に少佐に昇格する)彼の周囲に対する高圧的な態度は自ら人望を削いでいた。自業自得といえばそれまでだが。

「少佐の話が事実なら、これは大問題になるな。少尉、重大な証言をありがとう」

「我々としては、君をこのまま戦隊に復帰させるつもりは毛頭ない。君には営倉入りと多額の賠償金を払ってもらう」

「・・・覚悟は出来ています。どんな刑罰でも受けます」

カドマツ少尉は既に決心していた。顔を上げて中将を真正面から見る。

「良かろう・・・。だが、ここで一つ取引をしないかね?」

思いもよらない提案にカドマツ少尉は困惑した。

「取引・・・ですか?」

「そうだ。君は自分の置かれている立場がまだ判ってないようだな。君は体よくジャミトフの政治道具に利用されたのだよ。そして用が済めば、殺される運命にある」

「殺される!?なぜ・・・。なぜですか!?」

「君には政治的な事は判らないと思うが、今回の件は表立って公表してはならない事なのだ。そして、君は我々に資金提供者が誰か答えてしまった。これで君は彼らの暗殺ターゲットになったのだよ。連邦評議会で君が証言すれば、全てが水の泡だからな」

「そこでだ。君の身の安全を保障する為に取引を提案したのだよ」

事の重大さに気づいたカドマツ少尉は顔から血の気が引いて、真っ青になっていた。

「本日付で、第01MS防衛小隊の任を解き、MIAを解除する。我々は君の身を守る為に部隊編成を行い、ジオン残党の掃討作戦を名目に君を秘匿する。評議会で発言してもらう為にな。この取引に不満かね?」

願ってもいない事だった。自分の身を守ってくれるだけでなく、また戦場に出れるのだから。

「取引に応じます!やった事の重大さは良く判っていますから。それにむざむざと殺されたくはないですからね」

「取引成立だな。アオシマ少佐、すぐに部隊編成を始めてくれたまえ」

「これにて臨時査問会を終了する。尚、この査問会の記録は抹消してくれ。恐らく数時間もすればジャミトフの使いがジャブローからやってくるだろうからな」

法廷に出席した全ての人間が、中将の命令に従った。

「それからMS整備班は至急、BD-01のバトリングレコーダーを取り出してくれ。そのレコーダーも一緒に提出を迫ってくるだろうからな」

傍聴席から質問が飛ぶ。

「BD-01のバトリングレコーダーを改変するのでありますか?」

「うむ。あのデータを素直に渡せば、強化人間実験の重要なデータになってしまう。なんとしてもそれだけは避けたいのだ」

「以上で、質問は終わりかな?では、解散しよう。各自他言無用で通してくれたまえ」

マクドガル中将の予告どおり、数時間後にジャブローから査察官を名乗る男がやって来た。改変したデータを受け取って、ジャブローにまた戻って行ったのだった。

一方、部隊編成が既に始められていて、MSハンガーには新型MSが到着していた。

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「これが新しいMSかぁ・・・」

ハンガーに新しく寄越されたのはジム・コマンドだった。マーキングも何もしてない機体をベッピン少尉は見上げていた。

「少尉、気に入ったか?この機体はお前の新しい機体になる。大事に扱えよ」

ベッピン少尉の背後から声を掛けて来たのはアオシマ少佐だった。

「少佐、自分は何も功績を挙げてません。なのに、なぜ俺に?」

「非常に言いたくない事だが、今回のBD-01の件を他言無用にしてもらいたいのだ」

「つまり、口封じという事ですか?」

「そうだ。あの機体を見た隊員も同様に口封じの名目で昇進させる事が決まった。不満か?」

「いえ・・・。ですが、なぜ口封じを?」

「大きな声では話せないが、ジャブローのスパイが潜り込んでいる。操縦していたパイロットを保護したいのだ。だから余計な詮索はしないで欲しい」

「了解しました。隊員にも伝えておきます」

「2時間後、ブリーフィングルームに集まってくれ。部隊編成するのでな」

そう言い残すと、足早にその場を少佐は去っていった。

ケン・カドマツ少尉もこの部隊編成に参加するのだが、彼のMSは大破してこの基地にはない。その為、朧商会に頼んで、ジャンク品を集めたジムに乗る事になったのだ。

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このジムを見て、カドマツ少尉は絶句した。

「うわ!きたねぇ~。何このオンボロは?これで戦えるのかよ?朧さん」

微妙な揺れ方をするアフロを気にしながら、朧メカニックマンがやってくる。

「バカもん!これでもまともなほうだぞ。文句言うならMSやらんぞ」

「判ったよ。判ったよ・・・。金は後で払うよ。でも、このジム・・・。なんか物足りないな」

中古パーツの継ぎ接ぎだらけのジムを見て、少し考え込んだ。

「よっしゃ!朧さん。そこらにあるパーツを俺にくれないか?魔改造したいんだ」

何を思いついたのか判らないが、彼の頭脳にはイメージが出来上がっていた。

「勝手にしろ!改造して使い勝手が悪くなっても知らんぞ。そこらのガラクタを持って行け」

そういって、ガラクタの山を指差す。

この魔改造が後に大騒動を起こすとは誰も思っていなかった。そして、スフレ中尉の乗る新型ジムと教導団のジム・コマンドがジオン残党狩りの手がかりを見つけることになる。

オデッサ作戦開始まであと6日に迫っていた。

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コメント

更新御疲れ様です。
さて、ひとつツッコミ・・・ジャマイカンってジャマイカン・ダニンガンって名前じゃありませんでしたっけ?
会長は駒に乗り換え、そして他の面々は他言無用を条件に昇進ですか・・・。
ケンさんのジムが魔改造されるのが楽しみですが、他の面々の機体はどうなるんだろう?
とりあえず、次回を楽しみにしておきますw

追伸、実はおいらも小説書いてるんですよね。
うちのは投稿サイトに載せて貰ってるやつなんですが、まあ読んでみて笑ってやって下さいw

投稿: キョウスケ | 2009年6月16日 (火) 00時01分

うう(;ω;)

早速、突っ込み来たw

さっき調べたら、ジャマイカン、ダニンガンになってた(爆)
うろ覚えですた。スマソw

それと口封じの件は、米軍では良くある事らしい・・・ですよ?まぁ、信じるかどうかは置いておいて。
やっぱ、シリアスは向いてないなw
ギャグで攻めるべきか(うはw)

投稿サイトって・・・。
もしかしてエロ小説?
どこにあるんだろう・・・?w

投稿: スフレでし♪ | 2009年6月16日 (火) 00時15分

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